2018年9月30日日曜日

ダン・ダン・断捨離

 空はすっかり秋の高さを維持し、特徴のない大型ショッピングセンターの
セールのように当たり前の色をしていた。
部屋には扇風機が出番を失った外国人選手のような顔をして佇んでいた。

 僕はスパゲッティ、と書けば見栄えはいいがスパゲッティとしてはやや伸びすぎた
「スパゲッティ」のようなものを丁寧に食べながら、扇風機を見た。

「さすがにもう、扇風機の出番はないと思うよ」と、鮒が言った。
日本古来から存在して生き残っている(やや押され気味なのも否めない)鮒は
それなりに賢い。鮒ずし、という食材がポピュラーにならないのも鮒の賢さだろうか、
賢いから人間にとってそれほど有益な存在にならないのかな、と考えながら
僕は扇風機を片付けることにした。

 「片付ける前に綺麗にしたらどうだい」と、鮒は言った。
日本古来から存在して生き残っている鮒はそれなりに常識を兼ね備えている、
その常識が度重なる外来種の襲来にも負けず生き残ってる理由なのだろうか
(やや押され気味なのも否めない)僕はタオルで扇風機を拭き、コードを
それなりに巻き取り戸棚の中に入れた。

 戸棚の中には使わなくなったもの、持ち主の勝手により興味を失われた
雑貨などが所せまし、どころか所我が物顔で蹂躙していた。こういった状態の
戸棚の片づけは勇気が必要だ、僕の勇気メーターは半分にやや満たないくらいで
片付ける、という言葉を脳裏から速やかに消した。
 だいたいの物事がそうであるように、物事は加速していく。一品料理を作ろうと
思うともう一品くらい作ってしまうことや、本を読み始めると予定よりも読み込んで
しまったりすることがある。僕の片づけに関する意欲はそれなりに加速を始めた。

 壁にかかっているあるグッズが目についた。
「ここは片づけ時だ」と頭の中で誰かが囁いた。
やれやれ、と僕は思った。少しの葛藤のあと、僕は段ボールを用意し・・・
壁にかかっているものを片付け始めた。
サイズの揃わない段ボール三箱分くらいになったであろうか、壁としてより
飾りの裏側として機能していた壁が、壁としての顔を見せた。
数年間、日の目を見ていなかった壁は綺麗で、晴れやかだった。

 流石に数年壁に飾られていたものは埃にまみれていた。埃を落とし段ボールに
収納するとき、次、この段ボールをあけるときは来るのだろうか?と考えた。

「青森ワッツがB1で優勝するような物さ」と鮒は言った。

???

ないことはないけれど・・・せめて秋田ノーザンハピネッツと言って欲しいと
僕は思った。宇宙規模からみると青森ワッツと秋田ノーザンハピネッツは大体同じで、
スタンハンセン氏だったら分厚い眼鏡がないと一緒に見えるだろう。

 片付けたものを次開ける可能性、どのくらいなんだろう?

おそらく僕が1日2回マスターベーションをする可能性より少ないはず。

「再び物を出す手間っていうのを考えたことがあるのかい?」と鮒は言った。

新しいものを開封する動画、というのが最近はよく見られる、しかし懐かしいものを
開封する動画、というのは多くない。しかも物語性のない懐かしい物の開封は
さらに少ない、と僕は早口で言った。
「うん、少ないんだ。それが答えなんだ。」と、鮒はエサを食べながら言った。
メダカの餌でも、金魚の餌でも、時にはカメの餌でも食べる鮒の意見はそれなりに
芯が通っていた。

片付ける、という行為は必要なもの、不必要なものを仕分けて、不必要なものを
不必要とする行為で・・・必要なものを必要にする行為だと僕は思った。
必要があるものなら片付けないわけで、不必要なものがなくなったエリアは
寂しい、しかしそこに新たな必要なものを置く行為の始まりが「捨てること」だと
僕は思う。捨てる=得ることの始まりなのかな?と僕は鮒に尋ねた。

「青森ワッツのような物さ」

???

僕は混乱のあまり津軽弁で答えようとした、しかし僕の津軽の知識は
「しまむらとミスド」しかなかった。鮒によれば・・・必要としてても
必要としなくても青森ワッツは選手、スタッフの入れ替えが激しい、それが
幸せなことか不幸なことか判断するのはその人次第で、結果として大体の判断は
できるけれど、捉え方で決まるというものだった。

よくわからないまま、僕は断捨離を終え、ささやかな幸福感で(結局、自分に
とって捨てることはプラスなのだろうか)部屋を後にした。
鮒は言った「弱かろうが、弱かろうが青森ワッツは青森ワッツなんだ」

僕は「そこは弱かろうが、強かろうがでしょう」と鮒に言いかけてやめた。
部屋には風が適切の上限いっぱいに吹いていた。

 今日のまとめ
・激しいワッツいじり(加速した)
・部屋がすっきりすると掃除が楽だし、ワクワクする!
・淡水魚飼うの良いですよ、暖房いらないし

次回は 
「おでんの具材選手権!」(仮)です
では良い夜を! naoto:-)

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